東証1部上場を果たし国際化への足場を固めた

【経済界大賞】

松本晃氏(カルビー会長兼CEO)

松本晃氏(カルビー会長兼CEO)

 スナック菓子大手のカルビーが、東証1部に上場を果たしたのは、東日本大震災が起きた2011年3月11日だった。2100円の初値でスタートした株価は、12月20日現在で3605円と、相場全体が低迷している中で、高値を維持している。業績については、震災により工場が被災し、全体の25%の生産がストップしたことで、上半期の実績は前年を下回ったが、通期では増収を見込んでいるという。
 陣頭指揮を執るのは、伊藤忠商事を経てジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人社長を務めた松本晃会長だ。09年に創業家から経営を託されて、2年で上場を果たし、抜本的な構造改革にも挑んでいる。
 松本氏は現状について、「株価は、食品分野でJTと激しいトップ争いを続けていますがあまり気にしていません。良い会社の条件は、実力より少し高めの目標を立て必ず達成することです。カルビーでは、約束したことの100%か、それ以上を必ず達成することを社員に指示しています。これを会社の文化として根付かせるのが私の役目だと思っています」と話す。
 改革の進捗状況は「100%のうち4%くらい。私ができないことは次の世代がやってくれます。改革はエンドレスですから」と謙遜する。
 そんなカルビーが、目下進めるのが、海外事業の拡大だ。
 将来的な人口減少や少子高齢化に伴う国内市場の縮小を睨み、次の成長戦略の柱に海外事業の拡大を掲げる。全体の売り上げに占める割合は、現在の3・3%から中長期的には30%まで引き上げる方針。第1ステージとして狙う戦略地域は、北米、中国、アジアの3つ。アジアでの優先順位は、韓国、タイ、香港、台湾の順だ。
 松本氏は、海外戦略について、「日本で生産されるスナック菓子は製造コストが高く、ましてや輸送費が掛かる輸出はなかなかできませんでした。進出の形としては、カルビー単独、もしくは資本業務提携するペプシコ(米国)と組むか、あるいはそれ以外の現地会社と手を組むかの3通りです」と明かす。
 第1ステージとして掲げた国や地域では、既に現地生産・販売体制を整え、12年4月からは第2ステージとして、新たな地域にも広げていくという。
「おやつを食べない国はありません。GDPが1人当たり1万㌦を超えて、人々の生活が豊かになるとスナック市場は一気に広がるという仮説がありますが、これを信じて、スナックビジネスを世界に広げていきます」と自信を見せる。

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